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大和ハウスが新築一戸建ての住宅事業を23道県で撤退

住まい
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大和ハウスが、全国展開していた新築一戸建ての住宅事業のうち、23道県から撤退して、東京や大阪の都市部を中心とした事業展開に再編し、注文住宅の価格も5,000万円以上のものに限定するという方針変更をニュースリリースしました。

業界的にはビッグニュースですし、いろいろな視点で深い洞察が必要となりそうです。

プレファブ住宅の先駆者

大和ハウスの住宅といえば、今でもプレ・ファブリケーションのイメージが強いです。基礎ができてしまえば、建屋+外装はあっという間にできてしまいます。そのメリットは、やはり工場での大量生産と生産性向上によるコストカットでしょう。着工戸数を増やせば増やすほどメリットが増大するので、これまでは販売数を最大の目標にして、エリア拡大を伴いつつ成長してきました。

プレファブ住宅が世に出回り始めた頃、小学生だった私の子ども心としては、プレファブの家=庶民でも手が届く家、というイメージを強く持っていました。友人の家が「S水ハウス」で新築すると聞いて、お金持ちだとは決して思いませんでした。むしろ、「それって、ちゃんと住めるの?」という感覚を持っていたぐらいです。

なぜそう思ったのかというと、その頃は、第二次ベビーブームで小学校の教室が足りなくなり、運動場にプレファブ教室が仮設される時代でしたが、それに通じる外観の印象があったことと、あっという間に形ができてしまって、大きなプラモデルみたいだったからだと思います。

大和ハウスに限らず老舗の大手ハウスメーカーは、プレファブながらも顧客のニーズに応えるために、技術を駆使し製品を進化させていく中で大きく成長を遂げましたが、現在はブランドイメージが強くなりすぎて、高規格・高品質・高性能な住宅を提供せざるを得なくなり、もっぱらハイグレードな住宅だけを取り扱うようになって、コストだけ見れば競争力をなくしてきています。

一方で飯田グループやタマホーム、一条工務店のような、地方の住宅建設会社が成長を遂げ、ハウスメーカーとして大きなシェアを得るようになってきました。こういったメーカーが全国に営業範囲を広げているなかで、今回の大和ハウスの営業縮小は、ハウスメーカーの勢力図が新しいフェーズに移ったことを象徴する出来事だと感じています。

ローコストを選ばざるを得ない時代の流れ

少し違うかもしれませんが、2000年代頃からジャスコがイオンになってモール化して、全国各地に展開をしていきました。イオン一強といってもよい時代が長く続いてきたと思いますが、最近はオーケー、ロピア、ラ・ムー、万代、バローなどのドメスティックな激安スーパーが全国展開をし始めて、群雄割拠状態です。イオンのシェアを奪っているのではないでしょうか。もちろん、こういったスーパーの共通点は、踏み込んだローコストです。

そこに、今は食品や日用品を取り扱えるようになったドラッグストアが食い込んできています。大手ドラッグストア各社の売上高の伸びにはびっくりします。5年間で1.5倍前後になって、売り上げ1兆円を超える会社が3社もあります。その中でも、ドラッグストア同士の経営統合をせずに、単独で業界3位に食い込んできているコスモス薬品は驚異的です。私もコスモスで定期的に食料品を調達することが増えました。乾物だけでなく、牛乳やヨーグルトといった乳製品、納豆などの生鮮食品でも、激安スーパーの上を行きます。

建設費が高騰し住宅価格があがる一方なのに加えて、金利のある時代に入ってきて、ダブル・インカムであっても住宅を購入するハードルはぐっと上がってきています。最近商品化された50年ローンなんて、25年ローンでヒイヒイ言っていた私からすると正気の沙汰ではありません。

それでも家を持ちたいという人は、やはりコストに目を向けます。大和ハウスは、その顧客ニーズには応えることができなくなったという判断をしたのでしょう。

ただ、都心にリソースを集中するとしても、販売戸数が減れば、当然ながら製品を進化させていく技術開発等の分野も縮小せざるを得ず、そうなった場合に大和ハウスのブランド力はどこまで維持ができるのか。大和ハウスはゼネコンとしての領域等で成長を続けていますが、創業である新築一戸建ての住宅産業だけに限って言えば、過去に事業縮小をした企業の例を見ても「盛者必衰の理をあらわす」になっていくような気がしました。

撤退エリアが北日本に偏っている

今回23道県からの撤退ということで、北海道、東北、甲信越、北陸からは完全に撤退するようです。いわゆる北日本です。老婆心ながら、今後地球温暖化に伴う居住地域の変化が起こることや、札幌や仙台が副首都になるかもしれないことを考えれば、北海道と宮城県は営業範囲に残しておいた方がよかったのでは、と思います。一度撤退してサプライチェーンを失ってしまうと、それを再構築するのは大変です。部材の納まり等、自社製品施工のノウハウを持つ協力会社を手放してしまうことは、建設業従事者が激減している状況では致命的です。

そんなことは当然わかっていて、新築一戸建て住宅事業から完全に手を引く未来を想定内に入れたなかで、創業の地である西日本、大阪を最後まで残すことにこだわって撤退エリアの決定をした、ということではないかと邪推してしまいました。

とにもかくにも、注文住宅5,000万円以上ですので、私の「平屋住み替え構想」から大和ハウスは消えました。

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2026年9月28日

  退職まで672日 ~ 実労働日371日

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