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フェルメール展と中之島美術館

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妻のおかげでチケットが手に入りました!

大阪中之島美術館で開催されているフェルメール展に行ってきました。目玉である「真珠の耳飾りの少女」を所蔵しているのはオランダのハーグにあるマウリッツハイス美術館。日本に貸し出されるのは今回が最後という触れ込みです。

オランダには2回行ったことがありますが、1度目は会社の研修、2回目はトランジットで時間がなくてアムステルダム駅の周辺をうろうろとしただけでした。さすがに3回目はないと思うので、見れるとしたら今回が最後のチャンスでしょう。

何とか見たいなと思っていたのですが、抽選が外れてなかなかチケットが入手できず諦めかけていたところに、妻の友人が余ったチケットを2枚回してくれました。持つべきは妻の友です。もとい、いい友人を持っている妻です。時間指定のない招待券でしたので、待ち列が少なそうな朝一番に行くことにしました。9時過ぎに到着し、すでに入場を開始していた9時30分組に混じって、ストレスをあまり感じることなく概ね1時間程度で鑑賞ができました。

展示内容については、たくさんの方がSNS等で専門的な紹介をされていますので、私は素人の感想だけ。ネタバレがあるのでご注意ください。

デジタルでわかった絵の緻密さに驚愕

フェルメールの展示が始まる前に、大型サイネージを使用したフェルメール全作品の紹介があります。

この中で、「真珠の耳飾りの少女」の魅力を紹介しているのですが、私が驚いたのは、絵の緻密さです。少女の瞳の魅力を紹介するのに、絵が拡大投影されて瞳が1mぐらいの大きさになります。もともとの絵はせいぜい50cm程度なので、その中に描かれている瞳は1cmあるかないかでしょう。それが1mですから、100倍以上になっているのに、透明感のある瞳はそのままなのです!どんな画素数の大きいカメラで撮影しても、100倍に拡大したらぼやけたりすると思いますが、そういうことが全くなく、変わらず透き通って光を湛えているのです。一体どんな道具を使って、この瞳を描いたのでしょうか。驚愕しました!

フェルメールの技量の高さが、デジタル技術で証明されることになりました。

青色はいつの時代も人が希求する色

少女が巻いているターバンの明るい青色はフェルメール・ブルーと言われていますが、昔は青色を発色させることが簡単ではなくて、「ラピスラズリ」という高価で貴重な鉱物を使用しているそうです。恥ずかしながら知りませんでした。「ラピスラズリ」は和名で「瑠璃」のことです。

私が見た中で明るいブルーの印象が強い絵画といえば、バチカンのシスティーナ礼拝堂にある、ミケランジェロ作の「最後の審判」だと思い出しました。フェルメールが生きた時代よりもかなり昔のルネサンス期の絵画です。調べてみると、これも同じ「ラピスラズリ」がふんだんに使われているそうです。そんなことも知らずに「すげェ」とアホ面で鑑賞をしてしまいました。

「最後の審判」は現地でも写真撮影が禁止されていましたので、アップできなくてすみません。代わりに、システィーナ礼拝堂に至る径路にある「ラファエロの間」の天井画をアップします。こちらも青色がふんだんに使われているので、おそらく「ラピスラズリ」ではないでしょうか。

青色というのは、いつの時代も欲せられる色だったのですね。待望されていた青色LEDを日本人が開発したときに世界が仰天したことを思い出しました。そのおかげで、今はLEDの白色光が当たり前のように空間を照らす生活があります。

現代の科学技術は、入手困難だった青い光を手に入れることで白い光にたどり着くことができた。光を白色のハイライトで表現した光の魔術師フェルメールは、入手困難な青色を好んで使用した。なにか因果を感じたりします。

中之島美術館に見る原広司作品の面影

フェルメールはこれぐらいにして、私が本業にしている建設業の話へ切り替えます。

今回の会場となった中之島美術館は2017年に設計競技が行われて、遠藤克彦さんの作品が最優秀賞に選ばれました。遠藤さんは東京大学生産技術研究所の原広司研究室出身です。

2025年に鬼籍に入られた原広司さんは、梅田スカイビルや京都駅ビルの設計者として日本を代表する建築家としての経歴もすごいですが、隈研吾さん、山本理顕さんといったこれまた日本を代表する建築家を輩出したことでも有名です。他にも著名な原広司門下生はたくさんいらっしゃいます。

遠藤克彦さんは、この2017年の設計競技で最優秀を取られたときは、まだ無名に近かったと思いますが、この作品で一気に有名になられました。

設計競技の時に提出されたイメージパースは、空中に黒い箱が宙に浮いているように見え、本当にこれを作ることができるのだろうかと思ったものです。そのパースを掲載したいところですが、著作権の問題があるので、開館直後に私が撮影した写真で代用します。

どうてしょうか。浮遊感を生み出す足元のガラス部分が黒っぽくなってしまっているので、今ひとつですが、浮かんでいるように見えなくもないです。夜にはもっと浮遊感がでそうです。

このガラスを使って上部の物体を浮いているように見せる手法は原さんの作品である梅田スカイビルでも行われています。2本のガラスのタワーの頂部に空中庭園が載っています。ガラスに空が映り込むことで、ビルの輪郭が消えて、空中庭園が空に浮かんでいるように見えることを狙っています。

このビルが完成した直後は、もっときれいに空を映しこんでいたのですが、ガラスの反射光が周辺住民の生活に悪影響を与える、いわゆる「光害」が発生したため、ガラス面の調整がなされて映り込みがイマイチになってしまいました。

中之島美術館は、インパクトの強い外観だけでなく、内観もすごく印象的な空間になっています。パッサージュ(フランス語、歩行者専用の屋内通路、アーケード)がコンセプトです。

エントランスから空中径路となっているエスカレーターで最上階の5階まで上がり、展示室を巡りながら一筆書きで降りてくるルートとなっています。

大きな吹き抜けに面するエスカレーターから、下階の賑わいを眺める空間構成は、京都駅ビルのアトリウムを想起させます。

”こじつけ”感があるかもしれませんが、この他にもいくつか共通点を発見しました。あくまで個人的な感想ですのでここまでにしておきますが、師匠から受け継いだ弟子の技術は、自然にあふれ出てしまうものなのかもしれません。

果たして、フェルメールのあの緻密な技術は、誰かから受け継いだものだったのでしょうか?それとも自らが開発したものだったのでしょうか?謎が多く、短命だったところがミステリー感を生んで、作品の人気につながっているように思いました。

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