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映画「マイケル」 オリジナルのすごさを再認識

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映画「マイケル」を見ました。以下、ネタバレがあるのでご注意ください。

全体の概要としては、まだ少年だったマイケル・ジャクソンが、父の厳しい指導のもとでジャクソン5としてデビューを果たし、成長とともにソロとして売れていくなかで、ファミリーでの活動をモットーとする父に翻弄されつつも、独り立ちをしていくという、極めて簡単なストーリーです。実際には、この映画ではまったく触れられていないダークサイドがあるはずだと思いますが、そこには一切触れることなく、音楽とダンスも楽しめるエンターテイメント作品として仕上がっています。

よくぞここまで仕上げたものだ

すごいのは、大人になったマイケルを演じたジャファー・ジャクソン。マイケル・ジャクソンの甥にあたるそうで、本物のマイケルを極めて高い精度で再現していたのではないかと思います。その完成度の高いダンスには、ググっと引き込まれるものがありました。本物のマイケルをほとんど知らない次男が「この映画はすごくよかった」と言っていましたので、それだけ仕上がっていたということでしょう。

それでも、本物のマイケルの洗礼を受けた人たちからしたら、オリジナルの方がやはりすごいということになるのではないかと思います。というか、こういう映画がつくられて、オリジナルのマイケルがいかにすごかったのかが改めてよく分かった気がします。

私はマイケルが好きでも嫌いでもありませんでした。あえて言うと、「ダッ」とか「ハッ」とか「フー」とか「ワォ」とかの、歌詞と関係のない音が多すぎて、何かごまかされた音楽を聴かされているのではないかという印象を持っていた方です。通の方からすれば、それも歌詞の一部だと言うことなのでしょう。今更ですが、それも含めてすごい人だったのですね。ファンの方、すみません。

1980年代の高校生の頃、深夜に目をこすりながら、解像度の低い小さなテレビでMTVをよく見ていました。マイケルのほか、マドンナ、プリンス、シンディー・ローパーらに代表される歌と映像の合体は、ドメスティックな地方学生には本当に別世界の刺激的な番組でした。そんなMTV出演に黒人差別があり、その壁を打ち破ったのがマイケル・ジャクソンだったことも今回初めて知りました。

余人をもって変えられる世界と変えられない世界

「余人をもって変えることができる」というのが、私の仕事上のポリシーでした。これには2つの意味があります。一つは、自分の仕事は誰にでも取って変わられるのだから、気を抜かず取組めという自己激励の意味。もう一つは、自分がやってきたことは誰にでも引き継げるぐらいのものにすぎないのだから、自分がやってきたことに固執することなく世代交代をしていくべきだと自分を納得させる意味。

実際に、どの組織においても、出来の良し悪しはあるとしても、余人をもって仕事は引き継がれていくわけです。組織の世界はそういった新陳代謝で成り立っています。

一方で、マイケルが属していたエンターテイメントの世界は、余人をもってはかえられないことを改めて実感しました。むしろ、余人が焼き直せば焼き直すほど、オリジナルがいかにすごかったかがよりはっきりとしてきます。

日本でも、尾崎豊さんの息子の尾崎裕哉さんが父の曲を歌いました。親子だけに声質が非常に似ており、再来のような気がして興奮しましたが、やはりそれは最初だけで、オリジナルを際立させて終わったように思います。

そんなエンターテイメントの世界でも、一つだけオリジナルと同レベルを保っている例が頭に浮かびました。ルパンⅢ世の声優をしている栗田貫一さんです。モノマネから始まったことは周知の事実ですが、これはもはやオリジナルになったでしょう。絵はそのままのアニメの世界だから成立しているということだとは思いますが、エンターテイメント界の例外ではないでしょうか。

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